催告書の下書きを前にどんな言葉で書くか迷う賃貸管理担当者

催告書(督促状)の文面、丁寧かつ要点を外さず整える書き方

電話をかけても出ない。メールやメッセージにも返事がない。 入金リストの印は、もう何週間もつかないまま——。 そろそろ書面できちんと催告を出さないと、と思ったとき、いざ書き始めると手が止まりますよね。

強い言い方をすれば相手を追い詰めてしまうかもしれない。でも、やわらかすぎると本気が伝わらず、また放置されてしまうかもしれない。 「どこまで書けばいいんだろう」と、文面の前でひとり悩む——催告書づくりは、そういう神経を使う作業です。

結論:催告書は「感情」ではなく「事実」を伝える書面です。責める言葉は要りません。①滞納の事実(いつ・いくら)、②支払いのお願いと期限、③連絡先、この3点を、丁寧な言葉で正確に書く。これだけ押さえれば、角を立てずに要点を外さない文面になります。

書面の目的は、相手をやり込めることではありません。「入金が確認できていないこと」と「いつまでに、どうしてほしいか」を、記録に残る形ではっきり伝えることです。まずは次の3つを順番にそろえましょう。

  1. 滞納の事実を正確に書く(対象月・金額・現時点で未入金であること)
  2. 支払いのお願いと期限、振込先や連絡方法を具体的に書く
  3. 行き違いへの配慮連絡先を添えて、責めずに締める

この順番なら、淡々としているのに失礼ではない、ちょうどいい文面に近づきます。

まず、催告書に入れる項目をそろえる

催告書に入れる三つの要素を順に確認する流れ

書き出す前に、入れる内容を箇条書きで先に決めておくと、文面が散らかりません。最低限そろえたいのは次の項目です。

ポイントは、金額と日付を正確に書くことです。ここがあいまいだと、後で「言った・言わない」のもとになります。送る前に、入金記録ともう一度つき合わせて数字を確かめておきましょう。

やわらかく、でも要点を外さない言い回し

きつい言い回しとやわらかい言い回しを見比べて選ぶ賃貸管理担当者

文面で迷いやすいのは「言い回し」です。同じ内容でも、書き方ひとつで受け取られ方が変わります。事実を主語にすると、自然と角が取れます。

→ やわらかい例:「○月分の家賃のご入金が、当方で確認できておりません。お手数ですが、ご確認のうえお支払いをお願いいたします。」

→ やわらかい例:「ご事情がある場合は、お早めにご連絡ください。お支払いやご相談が難しい状況でしたら、一度お話をうかがえればと思います。」

「滞納しています」と相手を主語にするより、「確認できておりません」と自分側の状態を主語にするほうが、責めるニュアンスが薄まります。期限は「できるだけ早く」ではなく、「○月○日まで」と具体的な日付にすると、相手も動きやすくなります。

ここで書くのはあくまで支払いのお願いと確認まで、と割り切るのがコツです。最初の書面から強い文言を盛り込みすぎると、その後の関係づくりが難しくなります。

送る前に確認したいことの考え方

書面を出す前に、自分用のチェックとしてこんな観点で見直すと、後のトラブルを減らせます。

数字や日付は、思い込みで書かず必ず元の記録で確認します。金額のケタや対象月を間違えると、催告そのものの信頼が揺らいでしまうからです。

なお、催告書を「内容証明郵便」で出すかどうか、また契約解除や法的手続きに進む段階での書面の書き方・効力については、契約内容や滞納の状況によって適切な進め方が変わります。法的な効果をねらった書面や、解除の予告を含む通知は、自己判断で踏み込まず、契約書の内容を確認したうえで、必要に応じて弁護士や所属団体の相談窓口、家賃保証会社に確認する流れにしておくと安心です。書面より前の、最初の連絡の整え方は家賃が遅れたときの最初の一報を、保証会社が付いている場合の動き方は家賃保証会社への代位弁済の依頼手順もあわせてどうぞ。

催告書を投函し終えて穏やかな表情で一息つく賃貸管理担当者

最後に

催告書を書く仕事は、賃貸管理の中でも特に気が重い場面です。相手の生活が透けて見えるぶん、強く書くことにためらいが生まれる。その迷いは、相手をひとりの人として見ている証拠でもあります。

完璧な文面を一発で書こうとしなくて大丈夫です。今日は「事実→お願いと期限→連絡先」という並びと、「確認できておりません」という言い回しを、ひとつ手元に持てれば十分です。次に書面が必要になったとき、その型があるだけで、手の止まり方がきっと変わります。

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