集合住宅の駐車場で見慣れない車を前に対応を考える賃貸管理担当者

駐車場の無断駐車、貼り紙を貼る前に確認したい対応の順番

「契約していないはずの車が、ずっと停まっているんです」。 入居者からそんな連絡が入ると、つい急いで貼り紙を用意したくなりますよね。

でも、相手が誰の車かもわからないまま強い掲示を貼ると、こちらが思わぬトラブルを抱えることがあります。入居者の来客かもしれない。区画を勘違いした人かもしれない。一方で、放っておけば「管理会社は何もしてくれない」と入居者の不満がたまる。動きすぎても、動かなさすぎても角が立つ——無断駐車の対応は、そういう難しさのある仕事です。

結論:いきなり貼り紙や警告から入らなくて大丈夫です。最初にすることは、車の状況を記録し、自社の契約区画と照らして「本当に無断か」を確かめること。事実を固めてから、段階を踏んでやわらかく是正を進めましょう。

最初から強く出る必要はありません。無断駐車の対応は、次の3つの順番を守るだけで、ぐっと落ち着いて進められます。

  1. まず車と区画の状況を記録する(日時・ナンバー下4桁以外はメモ程度でも可・停車位置)
  2. 自社の契約区画・来客枠と照らして「本当に無断か」を確かめる
  3. いきなり個別に強く出ず、全体への注意から段階的に伝える

この順番なら、あとで「やりすぎだった」と悩むことが減ります。

手順を小さく分けて

記録・確認・掲示の三段階で無断駐車に対応する賃貸管理担当者

ひとつずつ進めれば、慌てずに対応できます。

まず、記録する。いつ・どの区画に・どんな車が停まっていたかを残します。可能なら日付の入った写真があると、後で状況を説明するときに自分を助けてくれます。相手を問い詰めるためではなく、事実を確かめるための記録だと考えると気が楽です。

次に、契約と照らす。意外と多いのが、入居者の来客や、区画番号の勘違いです。自社の契約区画一覧・来客用スペースの扱いと突き合わせ、本当に契約外の車なのかを先に確かめます。ここを飛ばして注意に入ると、行き違いだったときに気まずくなってしまいます。

そのあとで、全体へ掲示する。最初は特定の車を名指しせず、「契約区画以外への駐車はご遠慮ください」といった皆さま向けのお願いから始めると角が立ちにくいです。それでも続く場合に、車のフロントガラスへ直接挟むのではなく窓に貼るタイプの掲示や、書面でのお願いへと段階を上げていきます。

対応の前に確認したいことの考え方

掲示や連絡に動く前に、こんな観点を持っておくと落ち着けます。

掲示文で迷ったら、最初は「事実+お願い+連絡先」の3点だけで十分です。「警告」「法的措置」といった強い言葉を急いで入れる必要はありません。やわらかい言い回しのほうが、結果的に早く解決することも多いです。

なお、私有地であっても、無断駐車の車を管理会社の判断で勝手に移動させたり、タイヤロックや過大な請求をしたりするのは、別のトラブルや責任問題につながりかねません。常習化する場合や所有者と連絡が取れない場合の踏み込んだ対応は、契約内容や状況によって取るべき手順が変わります。自己判断で進めず、契約書や駐車場の規約を確認し、必要なら警察への相談や専門家への相談という流れにしておくと安心です。掲示やお願いの言い回しは、騒音クレームの一次対応で整理した「責めずに伝える」考え方ともつながります。

整然と片づいた駐車場を見渡して一息つく賃貸管理担当者

最後に

無断駐車の対応は、誰かに強く出る場面もあり、気が重くなりやすい仕事です。それでも、すぐに貼り紙へ走らず、まず状況を記録して事実を確かめようとした時点で、こじれにくい一番いい入り口を選べています。

感謝されにくい仕事ですが、人の暮らしを支えている仕事です。今日は記録と確認だけで十分。続きは、事実が固まってから一歩ずつで大丈夫です。

関連して、騒音クレームの一次対応の手順や、トラブル全般の備えとして原状回復トラブル防止チェックリストもあわせてどうぞ。

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